最初から三浦基氏「ありき」で進められた新館長人事

 ロームシアター京都の新館長として、演出家の三浦基氏の名前があがったのは、令和元年10月9日のことだった。

 当時の館長である平竹耕三氏が退任する意向であることが報告されてから、わずか2週間後。京都市は、新館長候補として三浦基氏を推薦した。他に候補者はなく、最初から『三浦氏ありき』だったことがわかる。

 なお、ロームシアター京都の館長は、京都市長の推薦により、音芸財団(=ロームシアター京都を運営する指定管理者である京都市音楽芸術文化振興財団)の理事長が任命することになっている。

   しかし、音芸財団の理事会で、新館長人事について議論された形跡はない。

 音芸財団の理事会で初めて三浦氏に関する事柄が報告されたのは、令和2年3月24日、三浦氏の館長就任延期が決まってからのことだ(下記「第5回理事会議事録」参照)。
 つまり音芸財団の理事会は館長人事にほとんど関与することなく、京都市長が推薦する者を、そのまま受け入れる形になっているようだ。

ロームシアター京都館長問題|情報公開でわかったこと。

ロームシアター京都の新館長に就任することが発表されていた演出家の三浦基氏に、元劇団員に対するパワハラ・不当解雇問題が浮上し、館長就任が来年4月まで延期された。私たち弁護士有志は、三浦氏が選任された経緯やパワハラ問題への対応等について、京都市等に対して公文書公開請求を行った。その結果わかったことを、ここに公開する。