就任「見送り」寸前でパワハラ問題が解決?

 令和2年1月16日に三浦氏の館長就任が発表されると、複数の演劇関係者がツイッターなどで決定への疑念を表明。同年2月14日には、演出家の平田オリザさんらが連名で、同月末までに選定経緯を明らかにするよう求める公開質問状を市と現館長あてに提出した。

 回答期限が迫った2月26日、京都市は「緊急」の報告として、館長就任の1ヶ月前の段階において三浦氏のパワハラ問題が解決しない場合は、「就任を見送る」ことを決定していた。

 ところが、同年3月5日、三浦氏から京都市に対し「関係当事者間で解決に至った」との報告があり、これを受けた京都市は、三浦氏の館長就任を令和2年7月1日に延期したうえで、予定通り実施することにした。

 しかし、この時も京都市は三浦氏の報告しか聞いておらず、元劇団員やユニオンから事情を聞くことはなかった。

ロームシアター京都館長問題|情報公開でわかったこと。

ロームシアター京都の新館長に就任することが発表されていた演出家の三浦基氏に、元劇団員に対するパワハラ・不当解雇問題が浮上し、館長就任が来年4月まで延期された。私たち弁護士有志は、三浦氏が選任された経緯やパワハラ問題への対応等について、京都市等に対して公文書公開請求を行った。その結果わかったことを、ここに公開する。